Citations:懶惰
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Japanese citations of 懶惰
- 1877, 福沢諭吉, 旧藩情:
- 故に中津の上等士族は、天下多事のために士気を興奮するには非ずして、かえってこれがためにその懶惰不行儀の風を進めたる者というべし。
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- 1887, 二葉亭四迷, 浮雲:
- 放蕩と懶惰とを経緯の糸にして織上たおぼッちゃま方が、不負魂の妬み嫉みからおむずかり遊ばすけれども、文三はそれ等の事には頓着せず、独りネビッチョ除け物と成ッて朝夕勉強三昧に歳月を消磨する内、遂に多年蛍雪の功が現われて一片の卒業証書を懐き、再び叔父の家を東道とするように成ッたからまず一安心と、それより手を替え品を替え種々にして仕官の口を探すが、さて探すとなると無いもので、心ならずも小半年ばかり燻ッている。
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- 1911, 押川春浪, 本州横断 癇癪徒歩旅行:
- だんだん田舎深く入込めば、この道中一行の呆れ返らざるを得なかったのは、この地方住民の懶惰極まる事である。
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- 1912, 蒲原有明, 虚妄と眞實:
- 舊い家を去つて新しい家に移つた僕は、この靜かな郊外の田園で、懶惰に費す日の多くなつたのをよろこぶぐらゐなものである。
- (please add an English translation of this quotation)
- 1913, 内田魯庵, 斎藤緑雨:
- 尤も私は飲んだり喰ったりして遊ぶ事が以前から嫌いだったから、緑雨に限らず誰との交際にも自ずから限度があったが、当時緑雨は『国会新聞』廃刊後は定った用事のない人だったし、私もまた始終ブラブラしていたから、懶惰という事がお互いの共通点となって、私の方からは遠い本所くんだりに余り足が向かなかったが、緑雨は度々やって来た。
- (please add an English translation of this quotation)
- 1915, 豊島与志雄, 囚われ:
- 彼はただ閑散なるままに懶惰な生活をして時を過した。
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- 1918, 宮地嘉六, 煤煙の臭ひ:
- 然し一日も休まぬといふことを何よりの誇りとしてゐる仲間の方では恐らく彼のやうな怠け者の姿をよしや見附けたところで見ぬふりして過ぎた筈である――彼の顔面は懶惰の羞恥で堅くなつてゐた。
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- 1919, 与謝野晶子, 平塚さんと私の論争:
- 時代遅れの寄生的気分に満ちた、こういう懶惰な遊民的女子の将来が如何に不幸であるかは平塚さんも認められるでしょう。
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- 1920, 泉鏡花, 売色鴨南蛮:
- その人たちというのは、主に懶惰、放蕩のため、世に見棄てられた医学生の落第なかまで、年輩も相応、女房持なども交った。
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- 1922, 長谷川時雨, 平塚明子(らいてう):
- そして心身ともに以前に倍しておすこやかになり、ともすれば懶惰に、億劫になりがちなわたしたちのために、発奮させる原素となって下さいまし。
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- 1925, 内藤湖南, 大阪の町人學者富永仲基:
- 私は懶惰者でその原稿を預かつて置いて訂正しなかつたため、私のは燒けなかつた。
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- 1926, 牧野信一, 毒気:
- ――私は、おそらく幼年時分からの習慣通りに、週期的に襲はれるモノマニアが嵩じて、いつもの神経衰弱にかゝつてゐたに相違ない、眼に映る様々な物象が己れの悪い心境にのみ関聯して、悉くが否定と「あやふや」と、懶惰と、白つぽい怖ろしさとの奈落に沈んで行くのが常だつた。
- (please add an English translation of this quotation)
- 1931, 坂口安吾, 竹藪の家:
- 自分の生活を他人任せ成行任せに押し流して、玉楼の陰であれよし星空の下であれ許された限りの睡りを貪り、分ち与へられた食物に満足して――斯うして万端切羽詰まつた挙句の果に、幸ひにして死ぬことも無く思ひ掛けぬ生活力が浮かび出るなら、何といふ思ひまうけぬ悦びであらうか! 流されるだけ流されてやれ! 彼はさういふ懶惰の底へ蟇のやうに腰を据ゑたわけであつた。
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- 1934, 薄田泣菫, 独楽園:
- ――といふと、何から何まで蟻は人間と同じやうだが、蟻には人間のやうな懶惰者がゐない。
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- 1936, 戸坂潤, 現代日本の思想対立:
- 一体道義的感触に訴えるという仕方は、認識の一等幼稚な或いは一等懶惰な場合に他ならない。
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- 1938, 島崎藤村, 新生:
- 旧い家を去って新しい家に移った僕は懶惰に費す日の多くなったのをよろこぶぐらいなものである。
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- 1939, 折口信夫, 古代中世言語論:
- とにかく、出来るだけ言葉を省かうとする一種の努力――といふよりは、懶惰な力が漲つて居る。
- (please add an English translation of this quotation)
- 1943, 織田作之助, 道:
- あの、時代に取残された頽廃的な性格を役どころにしていた友田が、気の弱い蒼白い新劇役者とされていた友田が「よしやろう」と気がるに蘊藻浜敵前渡河の決死隊に加わって、敵弾の雨に濡れた顔もせず、悠悠とクリークの中を漕ぎ兵を渡して戦死したのかと、佐伯はせつなく、自分の懶惰がもはや許せぬという想いがぴしゃっと来た。
- (please add an English translation of this quotation)
- 1950, 阿部次郎, 三太郎の日記 第三:
- 求道の生活を送る者にとつて最も戒むべきは洵に懶惰と利己との混入することである。
- (please add an English translation of this quotation)