Citations:臨む

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Japanese citations of 臨む

  • 1887, 井上円了, 妖怪玄談:
    生、これを研究せんと欲し、諸所に臨みて人の行うところを試むるに、信仰薄きものは、たとえ三十分間おさえおるも移ることなく、男女三人なればよく移り、空気流通して精神を爽快ならしむる場所にては移ること遅く、櫃の蓋の上に風呂敷を覆えば、なおよく移るなり。
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  • 1893, 樋口一葉, 琴の音:
    人の眼はくもりたるものにて、耳は千里の外までも聞くか、あやまり伝へたる事は再度きえず、渡辺の金吾は誠の盗賊に成りぬ、やがては明治の何と肩がきのつくべきほど、おそろしがらるゝ身かへりて恐ろしく、此処を離れて知らぬ土地に走らんと思ひたる事もあり、恨みに堪えかねては死なばやと思ひたる事もあり、幾度水のおもてに臨みて、これを限りと眺めたる事もありしが、易きに似て難きものは死なりけり。
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  • 1901, 黒岩涙香, 幽霊塔:
    堀の底から何が出るか、既に捜索に着手して居ると云うから、余は行って見たく思うけれど、猶だ医者から外出の許しを得て居ぬゆえ、塔の上から見るとしよう、ナニ堀端まで行った位で余の身体が悪く成る気遣いはないけれど、今は充分に此の身を自重せねば成らぬ時際だ、是から何の様な闘いに臨まねば成らぬかも知れぬ、毒蜘蛛の巣窟と云う蜘蛛屋へも行かねば成らぬかも知れぬ、秀子の為に骨身を砕かねば成らぬかも知れぬ、何でも大事に大事を取って、一日も早く此の身を鉄の様に丈夫な日頃に癒して了わねばならぬ。
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  • 1906, 泉鏡花, 春昼:
    池をまわって、川に臨んだ、玉脇の家造を、何か、御新姐のためには牢獄ででもあるような考えでござるから。
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  • 1907, 寺田寅彦, 話の種:
    今年の七月、北米の大湖エリーの水上で端艇競漕のあった時、その時々刻々の景況を陸上に報ずるためテルマと名づくる小蒸気船に無線電話機を載せて現場に臨ませた。
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  • 1909, 岩村透, 感応:
    この男が、まだ布哇の伯母の家に、寄寓していた頃、それは恰も南北戦争の当時なので、伯母の息子|即ちその男には従兄に当たる青年も、その時自ら軍隊に加って、義勇兵として戦場に臨んだのであった。
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  • 1910, 大下藤次郎, 白峰の麓:
    形|面白き柳の巨木の、水に臨んで、幾株か並んでいる広い河原、そこに架けたる手摺なき長い橋を渡ると鰍沢の町だ。
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  • 1911, 高浜虚子, 子規居士と余:
    居士は一夕碧梧桐君と余とを携えてそこに別離を叙し別るるに臨んで一封の書物を余らに渡した。
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  • 1914, 永井荷風, 江戸芸術論:
    ゴンクウルは林忠正の蒐集したる資料に基き北斎伝を著したる翌年、死するに臨み遺書を認めてその所蔵の浮世絵その他の美術品を尽く競売に附せしめたり。
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  • 1915, 蒲原有明, 龍土會の記:
    その龍土會が實は終末期に臨んでゐて、却て外面だけは賑やかに見えてゐた時代のことである。
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  • 1919, 芥川龍之介, 鼠小僧次郎吉:
    向うに見える唐津様の海鼠壁には、何時か入日の光がささなくなつて、掘割に臨んだ一株の葉柳にも、そろそろ暮色が濃くなつて来た。
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  • 1921, 豊島与志雄, 未来の天才:
    それでも、静子の家の門をくぐって、その座敷に通された時、私は初めて、自分が重大な瀬戸際に臨んでることを感じた。
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  • 1922, 大町桂月, 獨笑記:
    舊友の婚禮の宴に臨みて、夜をふかし、大に醉ひて歸り來り、翌日午前十時頃、起き出づれば、二日醉の氣味也。
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  • 1926, 佐左木俊郎, 土竜:
    梅三爺の、一坪四銭五厘で拓く開墾区域は、谷のせせらぎに臨んで建った小屋の背後から続いていた。
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  • 1928, 喜田貞吉, 本州における蝦夷の末路:
    蝦夷に対する経営の大方針としましては、勿論国家として威を以てこれに臨む場合のあるのはやむをえませんが、もともと懐柔政策を主としたもので、恩を以て誘い、徳を以て導き、彼らを日本民族に同化せしめるにありました。
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  • 1929, 濱田耕作, 埃及雜記:
    上埃及のルクゾールはナイル河畔にある水境であつて、寫眞などで見ると、其の岸に臨んでゐるルクゾールや、カルナツクの神祠などは、いかにも清々しい環境にあるかの如く想像せられるのであるが、其の實晝の間はやはり塵埃と見物客の雜沓に惱まされ、物乞ひの類に煩はされる場處に過ぎない。
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  • 1931, 戸坂潤, 辞典:
    然るに欧州大戦に臨んではプレハーノフは極端なる社会愛国主義的立場を取り、一九一七年の三月革命を経てもその立場を棄てなかった。
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  • 1933, 夢野久作, キチガイ地獄:
    私は大正×年の夏の初めに、原因不明の仮死状態に陥ったまま、北海道は石狩川の上流から、大雨に流されて来た、一個のルンペン屍体に過ぎなかったのです……しかも頭髪や鬚を、蓬々と生やした原始人そのままの丸裸体で、岩石の擦り傷や、川魚の突つき傷を、全身一面に浮き上らせたまま、エサウシ山下の絶勝に臨む、炭坑王谷山家の、豪華を極めた別荘の裏手に流れ着いて、そこに滞在していた小樽タイムスの記者、某の介抱を受けているうちに、ヤット息を吹き返した無名の一青年に過ぎなかったのです。
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  • 1936, 岡本かの子, 渾沌未分:
    月が、日本橋通りの高層建築の上へかかる時分、貝原は今夜は珍らしく新川|河岸の堀に臨む料理屋へ小初を連れ込んだ。
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  • 1937, 国枝史郎, 猿ヶ京片耳伝説:
    彼女がまだ娘であった頃、同藩――沼田藩の槍奉行、斉藤源太夫の息子源之進と結婚することになり、婚礼の席へ臨んだ
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  • 1938, 島崎藤村, 新生:
    その河岸へ来る度に、釣船屋米穀の問屋もしくは閑雅な市人の住宅が柳並木を隔てて水に臨んでいるのを見る度に、きまりで岸本は胸に浮べる一人の未知な青年があった。
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  • 1940, 和辻哲郎, 孔子:
    子曰く、之に臨むに荘を以てすれば則ち敬あらん、孝慈ならば則ち忠あらん、善きを挙げて不能を教うれば則ち勧めん。
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  • 1941, 野上豊一郎, パラティーノ:
    パラティーノは謂わゆるローマの七つの山――前記の四つの山の外に、クィリナーレ、ツェリオ、アヴェンティーノ――の中で、中央に位して他の六山を三方に配置し、西側はテベレの流に臨み、しかも孤立した丘陵となってるので、最も要害堅固の城砦として役立った。
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  • 1949, 木村荘八, 洲崎の印象:
    「洲崎遊廓は洲崎弁天町の全域を有し、別に一廓を成し、新吉原に擬したるものにして海に臨むを以てその風景は却つて勝れりとす……洲崎橋を渡りて廓内に入れば直接の大路ありて海岸に達す。
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  • 1953, 佐藤垢石, 淡紫裳:
    出迎えの人に案内されて、朝鮮神宮へ参拝し、それから夜、京城日報主催朝鮮将棋大会木村名人歓迎会というのに臨んだが、妓生さんを見られると思ったところ、内地から行った芸妓ばかり酌に出た。
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