Citations:防ぐ
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Japanese citations of 防ぐ
- 1882, 福沢諭吉, 徳育如何:
- 蛮夷が中華を乱だるも、聖人の道をもってこれを防ぐべし。
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- 1898, 徳冨蘆花, 小説 不如帰:
- 医師が見舞うたびに、あえて口にはいわねど、その症候の次第に著しくなり来るを認めつつ、術を尽くして防ぎ止めんとせしかいもなく、目には見えねど浪子の病は日に募りて、三月の初旬には、疑うべくもあらぬ肺結核の初期に入りぬ。
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- 1901, 黒岩涙香, 幽霊塔:
- 何者が何の為嘘の電報など作って余の叔父を呼び寄せたのだろう、余は電信局で篤と聞いて見たけれど分らぬ、唯十四五の穢い小僧が、頼信紙に認めたのを持って来たのだと云う、扨は発信人が自分で持って来ずに、路傍の小僧に金でも与えて頼んだ者と見える、更に其の頼信紙を見せて貰うと、鉛筆の走り書きではあるが文字は至って拙ない、露見を防ぐ為故と拙なく書いたのかも知らぬが、余の鑑定では自分の筆蹟を変えて書く程の力さえ無い人らしい、而も何だか女の筆らしい。
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- 1917, 豊島与志雄, 生あらば:
- 「兎に角一寸病勢を防ぎ止めたのですから、よく注意なさらなければいけません。
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- 1918, 与謝野晶子, 何故の出兵か:
- 今一つの出兵理由は、西比利亜に独逸の勢力が及ばない先に、出兵に由って予めそれを防ぐことは、西比利亜に接近している我国が独逸から受ける脅威に対して取る積極的自衛策であるという説です。
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- 1920, 菊池寛, 真珠夫人:
- 羊の皮を被つて来た狼の面皮を、真正面から、引き剥いだのであるから、その次ぎの問題は、狼が本性を現して、飛びかゝつて来る鋭い歯牙を、どんなに防ぎ、どんなに避くるかにあつた。
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- 1922, 宮本百合子, 男女交際より家庭生活へ:
- 一朝、野蛮人の襲撃に会えば、彼等は、只、彼等の団結によってのみその敵を防がなければならない。
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- 1923, 有島武郎, 私有農場から共産農団へ:
- B そんなことで、いろ/\の困難なことが伴つて来るだらうと思ひますが、私も一旦農場を寄附する以上、今後は何うなつてもいゝやうなものゝ、再び資本家の手に這入つて終ふやうなことは仕度くありませんので、その悪結果を防ぐ方法として、先つきの話のとほり、共産組合の組織にしようとしてゐるのです。
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- 1924, 宮沢賢治, 狼森と笊森、盗森:
- その人たちのために、森は冬のあいだ、一生懸命、北からの風を防いでやりました。
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- 1925, 国枝史郎, 神州纐纈城:
- 天文五年十一月、武田信虎八千を率い信濃海口城を襲ったが城の大将平賀源心よく防いで容易に陥落ちない。
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- 1926, 折口信夫, 餓鬼阿弥蘇生譚:
- 馬頭観音や、三界万霊塔の類は、皆友引きを防ぐ為に、浮ばれぬ人馬の霊を鎮めたのである。
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- 1927, 小酒井不木, 玉振時計の秘密:
- それに、支配人の自宅の応接室には一個の大きな風変わりの玉振時計が、ちょうど背の高さぐらいのところに掛けてありまして、彼はこの玉振時計を巧みに利用して、罪の発覚を防ぎうると思ったのであります。
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- 1929, 新渡戸稲造, 自警録:
- むかし袈裟が遠藤|盛遠に挑まれたときには、無理を忍んでハイハイと返事し、もって母の危急を防いだが、いよいよ最後の守らねばならぬ点にいたっては、身を殺してまでも毅然として自己を操持した。
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- 1930, 佐々木味津三, 老中の眼鏡:
- 「それもこれもみな国策じゃ! 二枚舌ではない、国運の危うきを救う大策じゃ! 内争を防ぐことこそ第一の急、京都と江戸との御仲|睦じく渡らせられなば、国の喜びこれに過ぎたるものはなかろうが、御降嫁願い奉ったも忠節の第一、国を思うがゆえに交易するも忠節の第一であろうぞ。
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- 1931, 牧野信一, 心象風景:
- 岡は壜型の氷結を防ぐために、濡襤褸をもつて幾重にも大切にこれを包んで、最後に毛布を覆つてから、肩のあたりを細紐でくゝつた。
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- 1932, 中井正一, 「壇」の解体:
- 誰かが防いでくれるだろうところの角の方陣の中に誰もが肩で息をすることとなる。
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- 1933, 寺田寅彦, 津浪と人間:
- こんなに度々繰返される自然現象ならば、当該地方の住民は、とうの昔に何かしら相当な対策を考えてこれに備え、災害を未然に防ぐことが出来ていてもよさそうに思われる。
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- 1934, 岡本綺堂, 海亀:
- 「その場合、君にしても櫂を取って防ぐくらいの知恵しか出ないだろう。
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- 1935, 小栗虫太郎, 紅毛傾城:
- それは、横蔵、慈悲太郎の瞳の底で、ひそかに燃え上がった、情けの焔を見て取ったからであろうか、二人の争いを未然に防ごうとして、紅琴が、世にも賢しい処置に出たのであった。
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- 1936, 海野十三, 鍵から抜け出した女:
- あまりにも敏速な犯罪のために、亡父殺しの犯人は分らなかったばかりか、或る国際事情のため、領事が暗殺されたことを発表しかねたので、駆けつけた副領事の計いで、即時死因を脳溢血とし一般に知れわたることを防いだ。
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- 1937, 中山太郎, 穀神としての牛に関する民俗:
- 注連縄を牛血に浸し、それを村の入口に張って悪疫の襲来を防ぐことや、生ける牛を建築の犠牲として埋めることなど、書けば牛のよだれのように限りもなくあるが、概略を尽くしたので擱筆する。
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- 1939, 岡本かの子, 越年:
- 加奈江は首にまいたスカーフを外套の中から掴み出して、絶えず眼鼻を塞いで埃を防いだが、その隙に堂島とすれ違ってしまえば、それっきりだという惧れで直ぐにスカーフをはずして前後左右を急いで観察する。
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- 1941, 坂口安吾, 作家論について:
- 万里の長城も尚文学を防ぎ得ないほどその魔力は万能と云はれながら、然し、人は文字をあやつるのに決して万能自在ではない。
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- 1942, 中島敦, 光と風と夢:
- 兎に角、目前に危険の感じられる内乱と、又、それを誘発すべき白人の圧迫とを、何とかして防がねばならぬ。
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- 1953, 佐藤垢石, うむどん:
- これは、加奈陀と豪州から入ってくる小麦粉に政府が高い関税をかけて防ぎとめたために、日本で耕した小麦の相場が、今のように高くなったのだけれど、それと当時に産額も増してきた。
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- 1957, 久生十蘭, 肌色の月:
- さっきの座席に戻ると、話しかけられるのを防ぐために、久美子は顔にストールをかけて寝たふりをしていた。
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