Citations:靴底

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Japanese citations of 靴底

  • 1905, 石川啄木, 閑天地:
    又其北岸城砦の上一葉の地図を前にひらいて世界の色の看す/\東方の桜光に染まり行くを諦視し、左に持ちたる『膠洲湾』の盃の毒酒にや酔ひけむ、顔色段々青くなり、眼光のみ物すごきまで燃え来りて、遂に狂へる如く其地図を靴底に蹂躙し、右手に握れる彼の宝典『世界政策』の一冊をさへ寸裂して河中に投ずるに至り、逆八の字の髯を掻きむしつて悶々する者は、かの所謂新興国独逸にあらずや。
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  • 1919, 南部修太郎, 猫又先生:
    そしてその靴底から傳はつてくるモノトナスな響が、みんなの聽覺を擽るやうに刺戟した。
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  • 1928, 林芙美子, 新版 放浪記:
    或る薬屋が軍隊のために、ボール紙の靴底を発明し、それを革として売出して四十万リーブルの年金を得たのだそうだ。
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  • 1929, 小林多喜二, 不在地主:
    ――市街地に出ると、銃を肩にかけ、胸のボタンを二つ程外して、帽子の下にハンカチをかぶった兵隊が三人、靴底の金具をジャリジャリさせて、ゆるい歩調でやってきた。
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  • 1931, 寺田寅彦, 日常身辺の物理的諸問題:
    それがおもしろいことには靴底の皮革の部はすべらないで、かかとのゴムの部分だけがよくすべるのである。
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  • 1933, 徳田秋声, 町の踊り場:
    私は靴底のざら/\するタタキを気にしながら、二回ばかりトロットを踊つてみたが、その娘さんは略二流どころのダンサアくらゐには附合つてくれた。
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  • 1934, 大阪圭吉, 花束の虫:
    そこで、僕は、この犯人の靴跡の個有の型状――例えば、全体に小さい事や、外郭の幅が普通の靴底のそれよりも遥かに平坦で細長い事や、土つかずの割合が大きくそして特異である事や、そして又、人間の足首で言うと恰度蹠骨尖端の下部に当る処なんだが、あの少女の履くポックリの前底部を一寸思い出させる様なこの靴跡の前の部の局部的な強い窪み方――。
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  • 1937, 寺島柾史, 怪奇人造島:
    はじめ、餌の代りに、靴底の革を切って釣針につけて、海に投げてやると、またたくまに、一尾の大きな魚が釣れた。
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  • 1944, 太宰治, 津軽:
    靴底を浪になめられつつ溜息ついて歩いた。
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  • 1947, 宮本百合子, 道標:
    棺の左側に高く一台の照明燈が据えられていて、そこからふりそそぐ強い光線に掠められ、伸子の目の前にあるマヤコフスキーの大きな靴底の鋲は鋭く光りつづけている。
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  • 1949, 原民喜, 壊滅の序曲:
    暗闇のなかを固い靴底に抵抗するアスファルトがあった。
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  • 1951, 神西清, 少年:
    この基隆埠頭における靴底もさうだし、船中の場合にしてもさうである。
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  • 1957, 久生十蘭, 肌色の月:
    そういいながら濡れしおった運動靴をとりあげると、めずらしいものでも見るような眼つきでしげしげと靴底を眺めた。
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