Citations:映える

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Japanese citations of 映える

  • 1899, 泉鏡花, 黒百合:
    拓は茫然自失して、前のまま机に頬杖を突いた、その手も支えかねて僵れようとしたが、ふと闇のままうとうとと居眠ったのに、いつ点いたか、見えぬ目に燈が映えるのに心着いた。
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  • 1920, 牧野信一, 青白き公園:
    三片の花弁は水底から拾ひ上げたばかりの貝のやうに、月光に映えて水々しくうるむで居ります。
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  • 1928, 国枝史郎, 娘煙術師:
    そういう四つの球の下に、これも燭台の燈火を浴びて、橙黄色に映えている、綴じ紙の最初の一枚が、広げられたままで置かれてあったが、いかさま見ればその面に、大門、玄関、客間、寝室、別館、大書院、亭、廻廊、控えの間、宿直の間、廐舎、婢女の間、家士たちの溜り、調理の場所、無数の建物が描かれてあり、そういう建物をグルリと取り巻いた、前庭後庭中庭などの、変化縦横の庭園の様が、同じく精巧に描かれてあった。
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  • 1930, 牧野信一, ダイアナの馬:
    こんなに思つて見直すと、真上の丘の頂きに立つて、ドリアンのくつわをとりながら、此方に向つて呼びかけてゐる派手な黄色のジヤムパアを羽織つた靴下もはかぬ素足の靴で、そして短い乱脈な髪の毛が陽に映えてゐる様子の雪子の姿は、そのまゝ神話のヒロインでゝもあるかのやうに――空想家の三木の眼にうつつた。
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  • 1930, 国枝史郎, 十二神貝十郎手柄話:
    その貝十郎の傍には、お勝手箪笥の『ままごと』が、抽斗も戸棚もあけられた姿で、灯火に映えて置かれてあった。
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  • 1933, 牧野信一, まぼろし:
    あゝ、俺は百合子のためなら命もいらない、この想ひは何んなに映えて、切々たる口笛と化するであらう――彼は温泉のやうな流水の上をうつら/\と眠りながら流れる夢に恍惚として息も絶えさうだつた。
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  • 1933, 牧野信一, 武者窓日記:
    銀原の声を聞きながら私が、もう一度村の上を振り返ると、桃の花が、今やもう真盛りのやうに陽に映えて、色とりどりの鎧武者がまことに浮きつ沈みつしてゐるやうな光景であつた。
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  • 1935, 牧野信一, 書斎を棄てゝ:
    砂浜は羽根蒲団のやうにぬくぬくとして、岩々に映える光が途方もなくまぶしかつた。
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  • 1936, 大阪圭吉, 闖入者:
    恰度美しい夕暮時で、わけても晴れた日のこの辺りは、西北に聳え立つ御坂山脈に焼くような入日を遮られて、あたりの尾根と云い谷と云い一面の樹海は薄暗にとざされそれがまた火のような西空の余映を受けて鈍く仄赤く生物の毒気のように映えかえり、そこかしこに点々と輝く鏡のような五湖の冷たい水の光を鏤めて鮮かにも奇怪な一大裾模様を織りなし、寒々と彼方に屹立する富士の姿をなよやかな薄紫の腰のあたりまでひッたりとぼかしこむ。
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  • 1942, 織田作之助, 秋深き:
    朝の陽が蒼黝い女の皮膚に映えて、鼻の両脇の脂肪を温めていた。
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