Citations:漏れる

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Japanese citations of 漏れる

  • 1887, 二葉亭四迷, 浮雲:
    お勢は返答をせず、只何か口疾に囁いた様子で、忍音に笑う声が漏れて聞えると、お鍋の調子|外の声で「ほんとに内海……」「しッ!……まだ其所に」と小声ながら聞取れるほどに「居るんだよ」。
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  • 1896, 広津柳浪, 今戸心中:
    もう汽車が出るんだよ」と、泣き声は吉里の口から漏れて、つと立ち上ッて窓の障子を開けた。
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  • 1898, 徳冨蘆花, 小説 不如帰:
    ただ心外なるはこの上かの艶書の一条もし浪子より中将に武男に漏れなば大事の便宜を失う恐れあり。
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  • 1907, 白柳秀湖, 駅夫日記:
    長く務めているので、長峰|界隈では評判の人望家ということ、道楽は謡曲で、暇さえあれば社宅の黒板塀から謡いの声が漏れている。
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  • 1910, 大下藤次郎, 白峰の麓:
    根元の方にも日の光は漏れて、幹は黒々と、葉は淡きバアントシーナを塗ったように、琥珀色に透明して、極めて美しい。
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  • 1916, 森鴎外, 伊沢蘭軒:
    松田氏の此談話中に見えてゐる随行医官の名の中に、猶奥医師林洞海法眼が漏れてゐる。
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  • 1917, 折口信夫, 身毒丸:
    身毒は、細面に、女のやうな柔らかな眉で、口は少し大きいが、赤い脣から漏れる歯は、貝殻のやうに美しかつた。
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  • 1918, 室生犀星, 抒情小曲集:
    道のふた側に積まれた雪は、屋根とおなじい高さにまでなつて、夜は窓や戸口の雪の、中から燈灯が漏れてゐた。
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  • 1922, 内藤鳴雪, 鳴雪自叙伝:
    そしてそれが外間へも漏れたので、いよいよ紛議が甚しくなった、殊に世子は右の長州への内使一件は後に聞かれたのであったから、例の気性として頗る不満に思われ、その側附の人々も共に憤慨した。
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  • 1930, 三木清, 認識論:
    しかるにあらゆる判斷の眞理は肯定のうちに是認された價値にもとづき、專らこの價値の肯定に存するのであつて、存在の認識を含む判斷も、この例に漏れることができない。
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  • 1939, 岡本かの子, 河明り:
    ふだんの繁劇な都会の濠川の人為的生活が、雪という天然の威力に押えつけられ、逼塞した隙間から、ふだんは聞取れない人間の哀切な囁きがかすかに漏れるのを感ずるからであった。
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  • 1940, 小栗虫太郎, 「太平洋漏水孔」漂流記:
    直経百海里にもわたるこの大渦流水域を称して、「海の水の漏れる穴」とはよくぞ呼んだりだ。
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  • 1942, 齋藤茂吉, 愛國百人一首に關聯して:
    選定の結果、數萬といふ資料の歌がただ百首になるのであるから、實に澤山の推薦歌が選に漏れたことになり、殘念至極であるけれども、これは大方君子の海容をねがはねばならない。
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  • 1947, 風巻景次郎, 中世の文学伝統:
    京都の中にいて、水の漏れるような隙を鵜の目でさがしつつ、儕輩を押し仆して官位の競望に憂き身をやつした中流公家の心労からは、生れ出ることのない大慈悲心である。
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  • 1956, 永井荷風, 羊羹:
    外は庭と同じく眞暗であるが、人家の窓から漏れる燈影をたよりに歩いて行くと、來た時よりはわけもなく、すぐに京成電車の線路に行當つた。
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