Citations:痛ましい

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Japanese citations of 痛ましい

  • 1898, 国木田独歩, まぼろし:
    痛ましげな微笑は頬の辺りにただよい、何とも知れない苦しげな叫び声は唇からもれた。
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  • 1913, 徳田秋声, :
    やがてそこらの店がしまって、ひっそりした暗い町の夜が、痛ましいほど更けて来た。
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  • 1914, 島田清次郎, 若芽:
    ぬつくりとした空気の中に、白い布を被せた寝棺が人々の眼に痛ましく写つた。
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  • 1917, 相馬泰三, 新らしき祖先:
    ある時、何かの事で葡萄の木の下を掘つてゐた欣之介は、土の中から出て来た水気のない痩せた鬚根を摘み上げて、劇しい痛ましさを覚えた。
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  • 1918, 有島武郎, 小さき者へ:
    何しろお前たちは見るに痛ましい人生の芽生えだ。
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  • 1920, 上司小劍, 石川五右衞門の生立:
    文吾は、母の口からこんな風の痛ましいことばかり、いろ/\と聽かされて、深く自ら心に決するところがあつた。
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  • 1927, 宮本百合子, 沈丁花:
    彼女の不思議な特色をもって、再び千鶴子の、あの自らを傷るような唇の表情が遠方から痛ましくはる子の感情に迫って来た。
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  • 1928, 松永延造, 職工と微笑:
    軈て静かな微笑は消えて行く煙のように、彼の女の痛ましい顔面の上を去った。
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  • 1931, 堀辰雄, 恢復期:
    そのときふと彼は、そういう彼自身の痛ましい後姿を、さっきから片目だけ開けたまんま、じっと睨みつけている別の彼自身に気がついた。
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  • 1933, 大阪圭吉, 死の快走船:
    キャプテン深谷氏の屍体は、片足を鱶にもぎとられた見るも無残な痛ましいものであったが、検死を進めるに従って、はからずも頭蓋の一部にビール瓶様の兇器で殴りつけられた、明かに他殺の証跡が残されているのを発見した。
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  • 1934, 寺田寅彦, 函館の大火について:
    あんなにも痛ましくたくさんの死者を出したのは一つには市街が狭い地峡の上にあって逃げ道を海によって遮断せられ、しかも飛び火のためにあちらこちらと同時に燃え出し、その上に風向旋転のために避難者の見当がつかなかったことなども重要な理由には相違ないが、何よりも函館市民のだれもが、よもやあのような大火が今の世にあり得ようとは夢にも考えなかったということにすべての惨禍の根本的の原因があるように思われるのである。
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  • 1935, 岸田國士, 愛妻家の一例:
    作家として、痛ましいほどの良心をもち、真実を追求する態度の厳粛さは、凡そ悪魔に憑かれてゐるとでも云ひたいくらゐだのに、人を愛し、人から愛される何ものかを欠いてゐる不思議な性格が、針のやうに彼を見る心を刺すのである。
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  • 1936, 牧野信一, 鵞鳥の家:
    武田が激しい神経衰弱に罹つて、まつたくもう見る眼も痛ましく日増に青べうたんになつてくる、凡そ彼と神経衰弱などといふ対照は空想も出来なかつたものだが、終日部屋に引つ込んだきりで稀に訪れても彼は溜息ばかり吐いてゐる、赤鬼のやうなあいつが青鬼になつて顔を顰めてばかりゐるかと思つてゐるうちに遂々熱まで出した……。
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  • 1938, 海野十三, 街の探偵:
    実験装置がやりかけたままになってそこに転がっているのも、まことに痛ましいことであった。
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  • 1950, 阿部次郎, 三太郎の日記 第三:
    思想界の偉人と偉人との間に相互の理解を缺くこと多きは、人生の痛ましき事實の一つである。
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  • 1952, 豊島与志雄, 絶縁体:
    私は市木さんの孤独主義に感嘆しながら、眼の前に投げ出されてるその足先を痛ましく眺めた。
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