Citations:瘋癲

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Japanese citations of 瘋癲

  • 1887, 二葉亭四迷, 浮雲:
    臍の下を住家として魂が何時の間にか有頂天外へ宿替をすれば、静かには坐ッてもいられず、ウロウロ座舗を徘徊いて、舌を吐たり肩を縮めたり思い出し笑いをしたり、又は変ぽうらいな手附きを為たりなど、よろずに瘋癲じみるまで喜びは喜んだが、しかしお勢の前ではいつも四角四面に喰いしばって猥褻がましい挙動はしない。
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  • 1904, 河口慧海, チベット旅行記:
    それでもいかないと今度は自分の着て居る着物を引っ裂いてしまって、その引っ裂いた着物を空に打ち投げるというまるで瘋癲のごとき有様で霰を喰い止めることに従事して居る。
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  • 1905, 夏目漱石, 吾輩は猫である:
    主人は少からざる尊敬をもって反覆|読誦した書翰の差出人が金箔つきの狂人であると知ってから、最前の熱心と苦心が何だか無駄骨のような気がして腹立たしくもあり、また瘋癲病者の文章をさほど心労して翫味したかと思うと恥ずかしくもあり、最後に狂人の作にこれほど感服する以上は自分も多少神経に異状がありはせぬかとの疑念もあるので、立腹と、慚愧と、心配の合併した状態で何だか落ちつかない顔付をして控えている。
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  • 1909, 沼田一雅, 暗夜の白髪:
    さて家人が其処へ転居してから一週間ばかりは何の変事も無かった、が偶然或夜の事――それは恰度八月の中旬のことであったが――十二時少し過ぎた頃、急にその男が便通を催したので、枕許の手燭へ燈をつけて、例の細い濡椽を伝って便所へ行った、闇夜の事なので庭の樹立等もあまりよく見えない、勿論最早夜も更け渡っているので四辺はシーンと静かである、持って来た手燭は便所の外に置いて、内へ入った、便所の内というのも、例の上方式の前に円窓があって、それに簾が懸っている、蹲踞んでいながら寝むいので何を考えるでもなく、うとうととしていると何だか急にゾーッと悪寒を覚えたので思わず窓の簾越に庭の方を見るとハット吃驚した、外の椽側に置いた手燭の燈が暗い庭を斜に照らしているその木犀の樹の傍に洗晒しの浴衣を着た一人の老婆が立っていたのだ、顔色は真蒼で頬は瘠け、眼は窪み、白髪交りの髪は乱れているまで判然見える、だがその男にはついぞ見覚えがなかった、浴衣の模様もよく見えたが、その時は不思議にも口はきけず、そこそこに出て手も洗わずに母家の方へ来て寝た、しかし床へ入っても中々寝られないが彼はそれまでこんな事はあんまり信じなかったので、或は近所の瘋癲老婆が裏木戸からでも庭へ入って来ていたのではないかと思ってそれなりに寝てしまった。
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  • 1910, 石川啄木, :
    ――然し何うも、郡視学も郡視学ではありませんか? ××さんにそんな莫迦な事のあらう筈のない事は、苟くも瘋癲か白痴でない限り、何人の目も一致するところです。
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  • 1941, 坂口安吾, 波子:
    瘋癲病者と同じことだ。
    (please add an English translation of this quotation)