Citations:眼中

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Japanese citations of 眼中

  • 1887, 二葉亭四迷, 浮雲:
    勿論以前とてもナニモ非常に文三を親愛していた、手車に乗せて下へも措かぬようにしていたト云うでは無いが、ともかくも以前は、チョイと顔を見る眼元、チョイと物を云う口元に、真似て真似のならぬ一種の和気を帯びていたが、この頃は眼中には雲を懸けて口元には苦笑を含んでいる。
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  • 1888, 福沢諭吉, 日本男子論:
    然るに、我輩が年来の所見を以ていかように判断せんとするも説を得ざるその次第は、我が国人が斯くまでに力を尽して外交を重んじ、ただに事実に国の富強文明を謀るのみならず、外面の体裁虚飾に至るまでも、専ら西洋流の文明開化に倣わんとして怠ることなく、これを欣慕して二念なき精神にてありながら、独りその内行の問題に至りては、全く開明の主義を度外に放棄して、純然たる亜細亜洲の旧慣に従い、居然自得して眼中また西洋なきが如くなるの一事なり。
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  • 1891, 森鴎外, 柵草紙の山房論文:
    即ち古今東西の大なる談理家即ち哲學者といふきはをも、そが眼中に置きていへるならむ。
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  • 1892, 北村透谷, 厭世詩家と女性:
    偖て誠信の以て厭世に勝つところなく、経験の以て厭世を破るところなき純一なる理想を有てる少壮者流の眼中には、実世界の現象悉く仮偽なるが如くに見ゆ可きか、曰く否、中に一物の仮偽ならず見ゆる者あり、誠実忠信「死」も奪ふ可らずと見ゆる者あり、何ぞや、曰く恋愛なり、情は闘争すべき質を以て生れたる元素なれども、其恋愛の域に進む時は、全然平和調美の者となり、知らず知らず一女性の中に円満を画かしむ、情人相対する時は天地に強敵なく、不平も不融和も悉く其席を開きて、真美の天使をして代て坐せしむ。
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  • 1893, 山路愛山, 明治文学史:
    歴史家の眼中は決して人物を脱すべからざる也。
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  • 1900, 国木田独歩, 初恋:
    地下の百姓を見てもすぐと理屈でやり込めるところから敬して遠ざけられ、狭い田の畔でこの先生に出あう者はまず一丁前から避けてそのお通りを待っているという次第、先生ますます得意になり眼中人なく大手を振って村内を横行していた。
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  • 1902, 正岡子規, 病牀六尺:
    果して病人の眼中に梅の花が咲くであらうか。
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  • 1905, 石川啄木, 閑天地:
    我は実に不幸にして今の学者先生を我が眼中に置くの光栄を有せざる也。
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  • 1906, 夏目漱石, 草枕:
    「何ですか」と相手はまるで青磁を眼中に置いていない。
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  • 1908, 伊藤左千夫, 隣の嫁:
    満蔵なんか眼中にないところなどはすこぶる頼もしい。
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  • 1909, 内田魯庵, 二葉亭四迷の一生:
    『浮雲』著作当時の二葉亭は覇気欝勃として、僅に春廼舎を友とする外は眼中人なく、文学を以てしては殆んど天下無敵の概があった。
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  • 1911, 押川春浪, 本州横断 癇癪徒歩旅行:
    こんな事は民力の発展などは眼中にない愚劣政治家共に話したとて分るまいが、真に国家の前途を憂うる人士は、大いに沈思熟考せねばならぬ問題であろうと思う。
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  • 1912, 原勝郎, 足利時代を論ず:
    よしそれをば眼中に措かぬことが出來るとしても、如何とも致し方のないのは背景となる時代の相違である。
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  • 1914, 與謝野寛、與謝野晶子, 巴里より:
    愛神キユピツトに立小便をさせたなどは実に他人を眼中に置かない遣方だと思ふ。
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  • 1915, 上司小劍, 太政官:
    名人の庖丁を凝らした料理や、廣く聞えた土地の名物なぞは、彼れの眼中になかつた。
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  • 1916, 河上肇, 貧乏物語:
    しかし知能とか霊魂とかいうものは、すべて無形のもので、からだのように物さしで長さを計ったり、衡で目方を量ったりすることのできぬものであるから、実際に当たって貧民の調査などする場合には、便宜のため貧乏の標準を大いに下げて、ただ肉体のことのみを眼中に置き、この肉体の自然的発達を維持するに足るだけの物をかりにわれわれの生存に必要な物と見なし、それだけの物を持たぬ者を貧乏人として行くのであって、それが私のいう第三の意味の貧乏人である。
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  • 1917, 高浜虚子, 漱石氏と私:
    実はその頃の私たちは俳句に於ては漱石氏などは眼中になかったといっては失礼な申分ではあるが、それほど重きに置いていなかったので、先輩としては十分に尊敬は払いながらも、漱石氏から送った俳句には朱筆を執って○や△をつけて返したものであった。
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  • 1918, 芥川龍之介, 俳画展覧会を観て:
    が、そんなことを眼中に置かないでも、鳳凰や羅漢なんぞは、至極結構な出来だと思ふ。
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  • 1920, 菊池寛, 真珠夫人:
    夫人は、相手のさうした躊躇などは、眼中にないやうに、自由で快活だつた。
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  • 1922, 三上義夫, 文化史上より見たる日本の数学:
    数学者の眼中から見れば和算は現今の数学に比してすこぶる見劣りのしたものであるから、その研究はさまで重大でないように見えるのも無理からぬことではあるが、文化史的に解するときは決してそんなものではない。
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  • 1923, 狩野直喜, 楊雄と法言:
    と言つて居るが、祕も楊雄が故さらに大聖大佞などの語を使つたのは、唯抽象的に述べたものでなく、王莽といふものが彼れの眼中にあつたからで、愚者は僞善家に欺かるれど、眞物と僞物との別は、能く注意すれば分るとの意味を言つて、王莽に當附けたものとしたらしい。
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  • 1924, 岸田國士, 葉桜(一幕):
    こんな奴は眼中にないんだ、さういふところを、人に見せたくつてしやうがない、そのために、誰かゐる時に限つて、あたしと口を利くことを避けようとなさる、そればかりか、用があつておそばにゐると、「いゝいゝ、あつちへ行つてろ……」かうなのさ……。
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  • 1925, 豊島与志雄, 香奠:
    「初めから通る通らないは眼中におかないで、来年の下稽古のつもりで受けてみたら、通らなくっても残念じゃないし、通ったら一年もうかるわけじゃないですか。
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  • 1926, 牧野信一, 海棠の家:
    彼女は、決して私などを眼中に置くことなしに熱心な運動を試みた。
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  • 1927, 佐藤紅緑, ああ玉杯に花うけて:
    「豆腐屋のごときは眼中にないね」と手塚がいった。
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  • 1928, 喜田貞吉, 本州における蝦夷の末路:
    地方官は私慾をのみ考えて、人民の福利などは一向眼中に無い。
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  • 1929, 新渡戸稲造, 自警録:
    近ごろ我が国民全体が激昂したことは、表向きでは愛国を口にし、一身の名利などは毫も眼中にない、否むしろ名利を犠牲に供して国防の充実を計るという看板をかけた人が、裏面においてはこれによりて窃に私腹を肥すことがあったからである。
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  • 1931, 宮本百合子, プロレタリア文学における国際的主題について:
    奉天にパチパチの起ったことについて日本帝国主義に内在する経済的・政治的理由も眼中に入れていない。
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  • 1932, 魯迅, 阿Q正伝:
    阿Qはまた大層己惚れが強く、未荘の人などはてんで彼の眼中にない。
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  • 1933, 木下尚江, 臨終の田中正造:
    けれど村会の意思などが眼中に在るのでは無い。
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  • 1934, 甲賀三郎, 血液型殺人事件:
    全く博士は学問の研究にばかり没頭して、美しい夫人などは全く眼中にないようなのだ。
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  • 1935, 岡本綺堂, 明治劇談 ランプの下にて:
    ところで、今日とは違って、その時代には盆と正月との藪入り、その習慣が一般に残っていたので、正月狂言と盆狂言とはどうしても藪入りの観客を眼中に置かなければならない。
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  • 1936, 神西清, 母たち:
    あるひは親類ぢゆうでも勝気で通つてゐた人のことだから、従兄のことなど眼中になかつたのかも知れない。
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  • 1937, 久生十蘭, 魔都:
    作者としてははなはだ憤懣の情に耐えぬのであるが、何しろこれらの連中は、作者などはてんで眼中にないのであるから、いかんとも手の下しようがないのである。
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  • 1938, 戸坂潤, 読書法:
    政治によって文化の新しい誕生が齎されるというような唯物史観的関係は、殆んど眼中にはない。
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  • 1939, 泉鏡花, 薄紅梅:
    「だってそうじゃないか、いつか雑誌に写真が出ていたそうだが、そんなものはほとんど眼中になかった。
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  • 1940, 幸田露伴, 努力論:
    そこで又氏郷の眼中に徳川氏無きを訝つて、徳川殿はといふ質問が起つた。
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  • 1941, 三木清, 西田先生のことども:
    他の書物など、全く眼中にないようである。
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  • 1942, 織田作之助, 東京文壇に与う:
    彼等の関心は、東京の文化と、東京を通じて輸入される外来思想とのみに存して、自分たちの故郷の天地山川や人情風俗は、眼中にないかの如くである。
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  • 1943, 波多野精一, 時と永遠:
    しかしながらかくの如きは體驗における時を無視して客觀的時間のみを眼中に置く誤つた態度より來る誤つた結論に過ぎないのである。
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  • 1944, 太宰治, 津軽:
    それは当然の事で、私などには、それにこだはる資格も何も無いのであるが、とにかく、現実は、私の眼中に無かつた。
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  • 1947, 和辻哲郎, 月夜の東大寺南大門:
    これらの高塔やそれを生かせるに十分な広場などを眼中に置くと、今はたゞ一の建物として孤立して聳えてゐる大仏殿が、もとは伽藍全体の一小部分に過ぎなかつたことも解つてくる。
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  • 1948, 原民喜, 災厄の日:
    だが、相手は僕の思惑など眼中になく、今、古巣に戻つて来たやうに振舞ひだした。
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  • 1949, 坂口安吾, 戦後新人論:
    彼の将棋は相手に一手勝てばよいという原則を信条として、旧来の定跡の如きを眼中にしない。
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  • 1950, 阿部次郎, 三太郎の日記 第二:
    此等の文章を書く時、彼の眼中に在るものは唯彼を嘲罵する世界の批評家のみであつた。
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  • 1953, 佐藤垢石, うむどん:
    お上の達しには、個々の家計など眼中にないということが、子供たちには分からないのだ。
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