Citations:飼う

Japanese citations of 飼う

• 1900, 国木田独歩, 置土産:

  『アハハハハハ麦飯を食わして共稼ぎをすればよかろう、何もごちそうをして天神様のお馬じゃアあるまいし大事に飼って置くこともない。

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• 1911, 柴田流星, 残されたる江戸:

  飼うには素人にも骨が折れず、生き虫と時々の新しき水を怠らねば誰れにもそそうはなく、鳴きも然るべき鳥屋が売ったのなら請合いである。

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• 1915, 岡本綺堂, 二階から:

  家々に飼犬が多いに引替えて、猫を飼う人は滅多にありません。

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• 1918, 芥川龍之介, 犬と笛:

  「これは名を嗅げと言って、どんな遠い所の事でも嗅かぎ出して来る利口な犬だ。では、一生己の代りに、大事に飼ってやってくれ。」

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• 1922, 宮本百合子, 小鳥:

  始め、我々が小鳥を飼ったのには、別に大した理由もなかった。

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• 1924, 折口信夫, 信太妻の話:

  何時でも、神の贄に供へる事の出来る様に飼うて居る動物を言ふ。

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• 1925, 細井和喜蔵, モルモット:

  モルモット屋の小舎の中に、数千頭かためて飼われて、多くの友達をもっていた動物は、二頭だけ急にそこから引っこぬいて別な世界へつれて来られたので、辺りに怯えたもののように小さくなって打ち顫えていた。

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• 1926, 小酒井不木, 猫と村正:

  私の家には、祖母の代から飼いはじめたという三毛の雌猫がおりました。

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• 1928, 国枝史郎, 娘煙術師:

  蜂の唸り声がかすかに聞こえて、隣りのお屋敷で飼っているらしい、老鶯の啼く声も届いて来た。

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• 1930, 小林多喜二, 工場細胞:

  「Ｈ・Ｓ工場」にも、少し年輩の職工は小鳥を飼ってみたり、花鉢を色々集めてみたり、規帳面にそれの世話をしてみたり、公休日毎に、家の細々した造作を作りかえてみたりする人が沢山いた。

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• 1931, 金田千鶴, 夏蚕時:

  庄作はむっつりした顔の儘で馬を飼ってゐた。

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• 1935, 寺田寅彦, 柿の種:

  その時に、二匹の飼い猫を、だれがいかにして連れて行くかが問題となった。

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• 1937, 泉鏡花, 雪柳:

  「三年あとに、お宅に飼われました、駒ですよ、駒……猫ですよ。

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• 1939, 豊島与志雄, 鳶と柿と鶏:

  君枝の庭には、裏口に近い一隅に、黒い鶏が二羽飼ってあった。

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• 1941, 徳田秋声, 縮図:

  酒も呑まず賭事にも手を出さず、十二三歳の時から、馬で赤城へ薪を採りに行ったりして、馬を手懐けつけていたので、馬に不思議な愛着があり、競馬馬も飼い、競馬場にも顔がきいていた。

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• 1942, 堀辰雄, 花を持てる女:

  「ベル」というのは、その時分、尼寺のそばに住んでいたおじさんのところで飼っていた大きな洋犬の名前で、私はその犬と大の仲好しだった。

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• 1947, 林芙美子, 美しい犬:

  疎開の人たちもまだ、あっちこっちの別莊に殘ってはいたけれど、ペットを飼ってくれるような、親切なひとは一人もいなかった。

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• 1948, 海野十三, 三十年後の世界:

  「食堂に出てくるアブラ虫を、大切にして飼っておいたのです。

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• 1949, 永井隆, この子を残して:

  日本は殺生は嫌いだと言ってねずみも殺さぬ人が多いが、死線にさまよう人間の子をかえりみる人はそれより多かったであろうか？　生き物をかわいがると言って、ねこを二匹も飼っている人は多いが、その人びとは、ねこよりさきに人間の子の宿無しを思ったであろうか？　……ねずみよりも手軽にあつかわれる人の子の生命、ねこよりもかわいがられぬ人の子？　――ただ両親がおらぬというだけのことで……。

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• 1952, 橘外男, 雷嫌いの話:

  私は、デカという、頗るもって強豪な中型の秋田犬を飼っている。

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• 1954, 坂口安吾, 人の子の親となりて:

  私には子供が生れないと思っていたので、家族のつもりで犬を飼っていた。

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• 1956, 久生十蘭, 奥の海:

  私は犬でもねこでもないのだから、糧で飼われているのでは、いかにも空しい気がする、という意味なのであった。

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